介護でのモラハラの特徴

どこの世界にも周囲の人間に配慮ができない人はいるものですが、それが行き過ぎると相手を精神的に追い詰めてしまうモラハラになってしまうこともあります。会社の上司から部下へのモラハラや、家庭内でも夫から妻へのモラハラなど様々なケースが問題になり、社会全体でその対策を講じる必要がある時代ではありますが、介護の現場のモラハラにはどのような特徴があるのでしょうか。

介護の現場では、同じ職場で働く同僚からのモラハラの他に、介護サービスを受けている利用者やその家族からのモラハラが多く報告されている傾向があります。入居型施設やデイサービスの利用者宅などの閉鎖的な空間で、ほとんど変わらない人間関係の中で日々を送っているので、モラハラが発生しやすい環境面での問題と、施設によっては厳しい労働環境で働く職員や、自分の思い通りに体を動かすことができない利用者、介護に疲れた利用者の家族など、そこに関わる人がストレスを溜めやすく、そのはけ口を探してしまうという問題が絡み合っているのが特徴です。

介護に携わる人たちの労働環境の改善や、介護のイメージの改善、職員と利用者、その家族がお互いに尊重しあえるような雰囲気の醸成といった介護業界全体で取り組むべき対策は数多くありますが、一人一人が思いやりの心を持つということも重要です。あまりにひどいモラハラ被害を受けた場合には、転職を検討することも一つの方法なので、それがしやすいような制度の確立も求められます。